Live Cafe Rooster

地階から胃薬

皆様、「地階から胃薬」をクリックしていただきありがとうございます。
このコーナーはルースター総支配人による不定期更新のコラムです。
ルースターの事、総支配人の事、出演者の事、お客様の事をはじめ、ルースターにまつわるいろんな事柄をご紹介しております。
お茶でも飲みながらゆっくりとご覧くださいませ。

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おやじバンドブーム。

2006年8月3日(木)

世の中おやじバンドブームということで最近、ノースサイドに取材がよく入っています。
そもそもおやじバンドはライブするにも場所が見つけにくかったわけで、その意味でルースター・ノースサイドの誕生はタイムリーでもあったかもしれません。
ライブハウスは山ほどあれど、飲むだけでなく食べたいを満たせるライブハウスを借りるとなると場所探しは困難を極め、しかもあっても貸切料金はべらぼうだったりする。
ノースサイドの貸切料金表と比較すればその安さは爆発しているのが見てとれます。

そもそも通常ブッキングスタイルをとっている数多くのライブハウスが「貸切もできます」と歌っているケースも少なくないのですが、多くの場合料金が高くなってしまっています。
なぜそうなるのか?
これには原因があるのです。
通常のブッキングのほうが利益が多いのならば貸切なんてする必要がないとそお店の担当者は考えるからであります。

ではなぜノースサイドの貸切料金はここまで安くできるのか?

そもそもルースター本店はチケットノルマなど取るようなお店ではなく、飲食店としての意味合いが強いお店です。実は2号店、ノースサイドもその流れをくんでいるため、貸切の料金は最低限になっている、こういうわけなのであります。

ルースターノースサイドで貸切される方々は徐々に増えておりますが、しかしそれはおやじバンドに限ったわけではありません。

一般のライブハウスにも出ようと思えば出られるのに、友人のバンドと一緒にライブしたいという方々にもニーズがあるのです。
それはロックなどのライブハウスに出演を依頼すると見知らぬバンドと一緒にされ、しかも演奏時間は40分など非常に短くされてしまう、しかもチケットノルマが高い。
それならば、ノースサイドを貸しきっちゃうほうが安いし、そのままその場で打ち上げができちゃうので大勢で居酒屋に移動など面倒なことをしなくてもよいからです。

聴きに来てくれるお客さんのことを考えてもやはりノースサイドはロック系のそれに比べると居心地は格段に良いかもしれません。

そういうわけでルースター・ノースサイドどんどんご利用いただきたく思うのであります。
きっと楽しい思い出が出来ると思いますよ。


東京単身赴任・出張の際はライブハウス観光を。

2006年8月13日(日)

当店には東京に単身赴任された方にもよくお越しいただいている。
まあ、単身赴任というものは掃除や洗濯も自身でしなくてはならないのだから、それなりのリスクもあるはずだが、中には単身赴任で「自由」を手に入れたと思う方もいないとは限らない(それは奥さんにとってもしかりかも)。
「若い頃はよくジャズクラブに通ったものです」というかつての若者の姿を目にするたびになぜかライブハウスをやってよかったと思ってしまう。
もちろんそれは単身赴任のお客さんに限りはしないのだが、ひとり寂しく晩御飯を食べるよりもたまには外で愉しくライブを聴きながら飲食するほうがいいと思うからである。
逆に単身赴任ではなく東京出張の折にはライブハウスに行こうと思って来て下さる方も少なくはない。
そう、言わばライブハウスの観光地化とでも言うべきか…。
先日も大阪からジャズのライブハウスガイドブックを見たという方がいらしてくれた。
そうなのだ。荻窪ルースターはそういう全国からのお客さんを非常に多く、迎え入れている真の意味でのライブハウスである。
東京に出張の際にはぜひライブハウス巡りをされてみてはいかがだろう。
何しろ出張の場合、昼間は仕事をしているわけで美術館も行けなければましてひとりで遊園地というわけにもいかない。
その意味ではライブハウスは東京に出張したサラリーマンに絶好の観光スポットと言えないだろうか?
ぜひ東京出張の際にはライブハウス巡りをお勧めしたい。
そう、もちろんそのコースには荻窪ルースターもお忘れなく。

吾妻光良&スウィンギンバッパーズの新譜!

2006年8月24日(木)

結成27年、日本唯一のジャンプブルースバンド、吾妻光良&スウィンギンバッパーズの新譜が4年ぶりに出た。
「Seven & Bi-decade The Great Victor Masters 2003-2006」がそれ。
ブルース好きでこのバンドを知らない方はもはやいないだろうが、万が一知らない方は遅くは無いので今からでもぜひ聴いて欲しい。
さて、バッパーズはジャンプブルースに日本語をのっけるということがとても痛快であるのだが、それに加えてビッグバンドという編成はさらに嬉しい。
そのお洒落なサウンドとは反比例してフロントの吾妻光良氏の風貌は落武者風なのである。
しかも居酒屋でウーロンハイを頼むと「酒が薄い」といって作り直させるタイプの氏はまったくもってジャニーズ系とは対極である。
しかし、それこそジャズを愛する正しいブルースマンのあり方なのである。
低迷するブルース界の中ではあるが、ライブをするとなるとチケットは争奪戦になることも珍しくない。どこからともなく老若男女が会場に押し寄せるのだ。
もはや小さなライブハウスでは不可能とも思われ、ここ数年の活動は大きな会場がメインとなってしまった。
この活動というのは実は頻繁ではなく年に数回しかない。それゆえに「生で聴けることがありがたい」と思われる数少ないバンドとも言える。
もっとも、ライブのオファーは数限りなくあるはずで、もっとメジャーになれる可能性は大きい。
ではなぜ年に数回しかライブをしないのかというと最も大きな要因はおそらく吾妻光良氏自身がバンドを趣味の延長と考えておられるからなのである。
氏は下手なプロミュージシャンよりもよっぽどプロミュージシャンらしいエンターテイナーでありながら、実は会社を経営する立場におられるのだ。
その昔、銀行に勤務するシンガーソングライターが爆発的に売れたことがあったが、そのスタイルに納得させられた記憶が蘇ったりもする。
さて、実際に音を聴いたことのない方へのわかりやすい説明としてはブライアン・セッツァー・オーケストラのそれに近いかもしれない。
ブライアンはストレイ・キャッツのギタリスト兼ボーカリストであるが、氏もやはり同じスタイルである。
風貌こそ違えどギターのうまさときたらブライアンにも負けない。さらに言うならば歌声もなんとも言えない味わいでバラードなど歌わせたら涙ものなのだ。
氏は数年前まではルースターにおいても小編成で出演されていたのだが、オファーが多すぎるゆえに今では多くのオファーをお断りされているらしい。
いつしかまたルースターにも戻ってこられたら大歓迎してしまうのだが、その日はいつ来るのだろうか?
とりあえずCDを聴いてその日を待とうと思うのである。

ファンキー・ジャズはヒップでブルージー。

2006年8月30日(水)

よくジャズのライブハウスに行くと「スイングしてるねー」とか、「ブルージーだよね」なんて会話を聞くことがあります。
このふたつの意味合いは皆さんお分かりいただけると思います。
では「ファンキーだよねー」。
これはいかがなものでしょう?
キャロルのヒット曲、「ファンキーモンキーベイビー」を連想する方も少なくは無いと思いますが(そんなことはないか!)、ものすごく平たく言えば、かっこいいとかいかしてるとかそんな雰囲気で使われております。
ところがこの「ファンキー」、ジャズではジャンルとしても存在しているのであります。
たとえば、デキシシーランドジャズやスイングジャズやビバップなどと同じようにファンキージャズというジャンルがあるのです。
この場合、踊りだしたくなるような雰囲気を持ち、ブルージーだったりもする、つまりノリノリなジャズを指すのです。
しかし、そもそもスイングの時代は踊らせる要素があったわけで、先人がすでにやっているじゃんと思われるかもしれないのですが、実はそうではなく、ファンキーに至るには歴史があるのでした。
すごく省略するとスイングは自由が無いぞと思ったジャズ演奏者はアドリブ重視のビバップを生み出していくのです。
しかし、これは踊るという要素よりもジャズを芸術方面に持っていったのでした。
そこでこれを今度は踊りだせるくらい楽しいジャズに変えていこうという動きがありました。そう、それがファンキーだったのです。
黄金期は1960年代。日本でもファンキーは大人気でありました。
ピアニスト、ホレス・シルバーは代表的なアーティスト。「ザ・プリーチャー」、「ソング・フォー・マイ・ファーザー」ほか多くのファンキーな名曲を残しています。
ファンキー・ジャズのブームのきっかけとなったのはアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズでした。
この頃の日本はヨン様人気のごとくアメリカから来るジャズミュージシャンを追っかけていたのです。
しかし、当店にもファンキーなジャズミュージシャンは多く出演しております。
ピアニスト吉岡秀晃氏などはファンキーの代名詞とも呼ばれたりしておりますし、3管部隊をフロントに置く、Black Cherryなどはそりゃもう踊れる曲のオンパレードです。
ラテンのモヒカーノ関氏などは性格までもが大ファンキー。
そうそう、そういえばファンキーには体臭などという意味合いもあるそうです。
Black Cherryの桜岡晋吾氏が先日ステージで「えー、私はシャワーを浴びるのがあまり好きではありません。でもよく罵声は浴びてます」。などと言っておりましたが、さすがはファンキージャズマンと言ったところでしょうか…。